有機生活庵「あいむ・ほーむ」のすぐ近くに「リバーサイド」という名のコミュニティがあります。この近辺には、これ以外にもさまざまなコミュニティがあり、コミュニティに興 味を持つ人たちが、多い地域ともいえます。

地域のことをコミュニティと言う場合もありますが、ここで言うコミュニティは、もう少 し狭義のもの。コミュニティとは、簡単に言うと、土地や建物を共有して複数の家族が暮 らし、仕事を分担し、収入や支出などを共有するというものです。共産共同体です。通常 は、農業のようなものがベースになり、みんなで生活を支えていくという考え方ですが、 コミュニティによってルールは異なり、資産の個人所有や収入の一部を個人的に所有する ことを認めるところもあれば、家や土地の個人所有を認めるところもあります。

個人の土地・家屋、収入なども認め、生活は独立しているが、共有部分を持ち、お互いが 助け合いながら暮らすものは、コミュニティとは少し離れるので、これらをエコビレッジ などというカテゴリーで考える場合もあります。私たちの友人の中には、複数家族で、一 つの大きな土地を購入し、共有部分と個人所有の部分に分け、暮らしている人たちもいま す。厳密には、コミュニティと違うかもしれませんが、それぞれが、独立しながら、お互 いが助け合いながら暮らすという点で、よく似たものがあります。

コミュニティは、古くからありましたが、今、コミュニティの意義が改めて考えられる時 代になっているような気がします。リバーサイド・コミュニティのメンバーである友人に、 「コミュニティに住んで一番良かったことは何か。」と質問したことがあります。彼女 は、「毎日退屈することがないこと。」と答えました。これは、孤独感がないことも意味 しています。彼女は、離婚して、子供も独立し、今は一人暮らしですが、毎日を幸せに過ご すことができるのです。老人の孤独死や、学校や職場でのいじめ、いや、家族の中ですら 「孤」が蔓延している今の世の中で、コミュニティが持っているものを、もう一度見直して みる必要もあるのかも知れません。