ここに「お金のいらない国」という本があります。4部作ですが、とても薄い本なので、 すぐに読めます。内容も童話っぽいストーリーなので、難しくなく読めます。けれど、内 容は、実はとても深いのです。さらっと書いてあるけれど、いろいろな考察が含まれてい るのです。
そもそもお金のない国なんて、存在し得るのかと思うでしょう?架空の話、夢物語。で も、そうでもないのです。
まずは、お金がなくなったら、この世の中はどうなるのか、ということがこの本には書か れています。簡単にいうと、世の中の犯罪は、ほぼ全て無くなります。窃盗や殺人はもち ろん、汚職、テロ、戦争、詐欺、…….。お金というのは、もともと物々交換していたもの を、より便利なやり方でできるように、考案されたものです。しかし、お金が簡単に印刷 されるようになった今、お金そのものに価値があると信じ込み、そのお金を巡って、全て の生活が営まれています。これは、よく考えるととてもおかしなことなのです。おかしな ことなのに、その発想から抜け出ることができない。
それが、このお金のいらない国に行ってみると、目から鱗が落ちるというのが、この本に 書かれていることです。今、世界で、ベーシックインカムという考え方が出てきて、一部
試行が始まっています。働かなくてもお金がもらえる、というものです。働いてももらえる というのが、生活保護と違う点です。ベシックインカムがもらえると、人間は、働き方が 変わる、つまりお金のためでなく、何か別のもののために働くようになるだろうという発 想から来ています。また、地域通貨というものも、世界にたくさんあります。その地域で 発行して、その地域だけで使えるお金です。このように、お金に対する考え方が、少しず つ変わりつつあります。お金に対する考え方が変わると、労働に対する考え方も変わり、 人生も変わります。
一度、あなたの頭の中から「お金」というものを消してみれば面白いのではないでしょう か。今、あなたが毎日していることは、お金がなくてもしますか、と考えてみては。