私は、ニュージーランドに来てから、とくに日本のことを考えるようになりました。外か ら日本を眺めると、日本の問題もとてもよく見えますが、日本の素晴らしさもまた、再認識するようになって来ました。有機生活を考えるの最初の方で、日本という国を、主にマ イナス面から見て書きましたが、これは、プラス面から見た日本です。
古代のことを紐解いていくと、日本という国は、世界の文字や文化の発信地であったこと や、古代ユダヤの文化が流れ込んだ国であることや、いろいろな見方が出て来ています。 ここでは、そういう、まだ曖昧な部分は考えず、日本を知る上で、大切なことを見ていき たいと思います。
日本という国の特殊性を知るうえで、まず言葉が挙げられます。日本は、言霊の国とも言 われます。言霊とは、言葉の音一つ一つに意味とエネリギーがあるという考えで、例え ば、カミという言葉はは、カ(火)とミ(水)という音からできています。ヒトは、ヒ (一)とト(十)つまり一から十まで全てのものを備えた動物となります。文字一つにも 意味があり、例えば、アは、感じるとか生命という意味が含まれ、イは、伝わるもの、陰 など、ウは、生まれ出るという意味、などです。これが英語になると、アルファベットのB やCやDには、音さえないのですから、言霊はあるかないか微妙です。日本には、中国から 漢字が伝わるはるか前から、カタカムナという文字や、その他の神代文字と呼ばれる古い 文字が存在していたことが分かっています。世界で今、漢字を使っているのは、日本と中 国だけですが、一つの文字に意味があるという言語は、これだけですから、漢字を扱える だけで、特殊な能力を備えていることになります。(文字からイメージを捉えることができ る)例えば、気という文字を見ただけで、なんとなくイメージが掴めるということです。
日本には、神道という世界でも珍しい宗教があります。誰かが作った宗教ではなく、教祖 もなく、自然を崇拝するアニミズムです。神道には、旧約聖書と同じように、日本の国の 成り立ちと関係する神話があり、現在では、単なる作り話でなく、実際の日本の成り立ち と関連づけて研究が進んでいます。日本列島が、世界の大陸の縮図(例えば、四国はオー ストラリアと、九州は、アフリカ大陸と似ているというような)と言われているのも面白 いですね。
このほか、単一民族、単一言語の国家であること。世界で一番長く存続する会社を持って いる(世界1位も2位も日本の企業です)こと、世界で2000年以上、一つの王政(日 本は天皇と言いますが)が続いている、など世界でもとても稀な国なのです。
その素晴らしい国が、今、私たち日本人の手で、壊されようとしている。どうか、それに 気がついて欲しいと思います。美しい言葉を守り、素晴らしいしきたりを守る。これは、 日本人の使命です。