私たちの子どもの頃、つまり、昭和の30年代、40年代は、家族がとても強固な時期で あったように思います。虐待も少なく、ネグレクトなどという言葉は、ありませんでし た。子供を猛暑の車の中に置き去りにして、パチンコに興じる人は、ありませんでした。

最近、うちにやってくる若い人たちから、よく、「家族が一番好き。」とか「家族がとて も大事」という言葉を聞いて、私たちは、ちょっと違和感を感じます。そんなことを私たちが子どもの頃には、言わなかったからです。家族がとても危うい(fregileな)時代だか ら、そう言葉に出す必要があるのかなという気もします。(テレビドラマの影響もあると 思いますが。)

父親が、毎日残業だったり、子供が塾に行っていたりして、家族みんなで食事をする家庭 が少なくなりました。また、家族全員揃っているのに、それぞれがスマホをしたり、パソ コンを操作していたりして、家族の団欒がないという話も聞きました。そんな家庭で育っ た子供が、まともな大人になるとは思われません。人間性が失われていく時代の人を称し て、ゾンビという人もいます。あながち外れていないのではないかと思うくらいです。

家庭の崩壊は、国の崩壊です。そんな国に未来はありません。今こそ、「家族が大事」と 言葉で言うのでなく、本当に家族にとって大切な家庭とは何かを、みんなが意識しなけれ ばならなくなって来ています。