人間関係が崩壊して来ました。いや、私たちの若い頃、「人間関係」などと言う言葉は、 なかったのではないかと思います。人と人は、常に結ばれているものであって、関係を必 要としなかったからです。今は、都会では、マンションの隣に住む人の名前を知らないと 言う人さえ出て来ました。昔は、あり得なかったことです。都会は、人と人の物理的な距 離は近いのですが、つながりが遠い。まだ田舎の方が、距離は離れていても、人の関係は 近いように思います。

昔は、日本人といえば、人に親切、他人への思いやりがある、と言うイメージがありまし た。今は、日本人は、とても他人に冷たい人種だそうです。日本人は、ガイジンには親切 ですが、日本人に対してはどうでしょうか。以前、クライストチャーチにいた頃、ニュー ジーランド人から、中国人、韓国人は、お互い助け合うけど、日本人は、足の引っ張りあ いをするねと、言われたこともあります。

有機生活庵「あいむほーむ」のあるところは、ニュージーランド南島、モトゥエカという 町の郊外で、ここにモトゥエカバレーという地域があります。この周辺には、コミュニティも古くから多く、人と人の結びつきが、とても強いところです。何キロメートルも離れ ていても、みんながお互いのことをよく知っていて、助け合いが、日常茶飯事に行われて います。お金に価値を置かない考え方も、人との結びつきを強くしているように思いま す。ヨーロッパ人が多く移住してきていて、多様のものの考え方、価値観があり、それ が、これからの時代に大切なものを築く力になっています。その、大切なものの一つが、 「人と人の結びつき」なのでしょう。