グローバリズムという言葉があります。一見世界が一つになるかのようで、甘い果実のよ うな響きがありますが、実際は、私たちの生活を脅かす可能性が高いものです。

シャッター商店街という言葉があります。地元の良き商いが、大手の流通業者に駆逐され て、廃業を余儀なくされている姿です。地元の、魚屋さん、八百屋さん、洋服屋さん、パン屋さん、そういう人たちから、私たちは、安心できる商品を手に入れることができ、地 元同士の支え合いや人情があったと思うのです。大手業者が進出してきて、消費者である 私たちは、一見、便利になり、いいものを安く手に入れることができると喜んだかもしれ ませんが、それで、地元はハッピーになったでしょうか。地元がハッピーでないのに、あな たはハッピーでしょうか。

この、シャッター商店街が、国家レベルで起こるのが、グローバル経済です。シャッター 商店街でも、グローバル経済でも、利益があるのは、その大手企業だけです。地元の業者 はもちろん、結果的に、私たち消費者も、問題を抱えます。それは、健康問題であった り、雇用や貧困の問題であったり、人間関係であったりします。

地元の業者がどうなってもいいよ、私たちが便利になれば、それでいいんです、という考え方は、とても自分勝手で、やがては、自分自身も被害者に回ることになります。消費者 みんなが、地元を支えることで、みんながハッピーになり、自分もハッピーになる。それ が、ローカリズムの考え方です。

これは、商売だけでなく、あらゆることに通ずる考え方ではないでしょうか。今、世界中 の富が、ほんの一部の人に握られる時代になって来ました。世界の富の82%をわずか 1%の人が握っているのです。グローバリズムは、この1%の富裕層に有利なシステムであ って、決して、私たち一般大衆のためのシステムではありません。グローバリズムは、「競 争」に基づいた理念、ローカリズムは、「共存」に基づいた理念、「競争から共存へ」で す。