
人類の歴史と農耕は、密接な関係を持ってきまし た。農耕そのものが、生活であったのです。とくに 日本人にとっては、とても重要であったものです が、その農業が今の日本ではおろそかにされてい ます。おろそかにされている理由は、ビジネスに なりにくいからではないでしょうか。本来、農業 はビジネスにしては、 いけないものだった のです。もともと付 加価値の小さな「食」 や「農」。それをビジ ネスにしようとした 瞬間から、不必要な 作業が介入し、私た ちの健康破壊が始ま ります。自然農の福 岡氏は、そんなメッ セージを残しています。
「パーマカルチャー」という言葉があります。農 的暮らしのライフスタイル・デザインですが、私 たちは、あまりそれに拘らず、自分流の形を作っ ていけばいいと思っています。大切なことのほと んどは、先人の知恵にすでに伝えられています。 基本は、自然に従うこと。人工的、人為的な手段で
得た便利さは、必ず問題を生じます。
私たちの暮らしを考えていくうえで、農業はとて も重要な役割を持っています。それは、食べるも のだからではありません。「いのち」を対象にして いるからです。人間は、自分たちこそ地上で一番 の存在と錯覚し、何でもできると思い込んできま した。しかし、自然というのは、人間がコントロー ルできる限界をはるかに超えたもの。思い上がっ た人間の傲慢を最初に打ち砕いたものが、農業で はなかったかと思うのです。今、医学も、工業も、 そして私たちの生き方も、同じようなことを自然 から突き付けられているような気がします。